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gakuto
100ど、夏休みもない重労働が重なっていた。加えて食糧も極度に不足し、米より麦の割合が多いようなご飯にさつま芋や大根を切り込んだりして炊いたものを食べながら、皆頑張っていた。このような状態の中であの恐るべき日、昭和二十年(一九四五)八月六日を迎えた。 その日は朝から一片の雲もない素晴らしい日本晴れで夏の暑い日差しが照りつけていた。倒壊させた家屋の後片付けに出発するため、校庭に整列し点呼を受ける準備を始めた時、級友の中から落下傘が降りていると天空を指さし数人が何処?何処?と、見上げた直後にピカーときた。 最初は青白い光がオレンジ色に変わった。もの凄く熱い、平素の訓練通り目と耳を覆いながら伏せて耐える。光線から出る音か?、体が焼けてゆく音か?、ジージーという音が耳の底にいつまでも続く、熱い!熱い!と悶えながら「このくらいの熱さで負けるものか我慢だ!我慢しろ」と、自分に言い聞かせながら意識が遠のいていった。 どれくらい経過したのか判らないが、右往左往する人々に踏みつけられ、我に返って立ち上がったが、真っ暗やみで何も見えない。全ての建物が一瞬にして倒壊し、その土埃りがあの原子雲と共に舞い上がり、それが次第に静まると夜が明けるように上から徐々に周囲が見えるようになった。その時、目に映った光景は、そこにあった二階建ての校舎全体がペシャンコに潰され、柔道場も倒壊し、自分も居た所から三十mばかり離れた足洗い場に立っていた。その時倒壊した校舎の中から先生が額から血を流しながら這いだしてこられ「広商の生徒は比治山に避難せよ」と叫ばれた。その声に気を取り戻して比治山に向かう避難者の群れに混じって走った。 避難する途中で見た光景も、比治山でも誰一人としてまともな姿をした人はいない。私の手のひらは、時間が経つに従い火膨れとなって腫れ上がり、上腕部には黒いぼろ布のようなものが垂れ下がっている。取り除こうとしたら痛い。よく見ると露出していた部分の皮膚が黒焦げとなり、ペロリとはげ落ち垂れ下がって