ブックタイトルgakuto
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198この蔭には原爆犠牲者級友の顔が浮かぶ。これらの人々の冥福を心からお祈りしたいと思います。(当時中学二年 建物疎開作業中に被爆)被 爆阿部 正 昭和二十年、食糧は極度に不足し、敵機の来襲が日常化して、灯火管制の下、殆ど毎晩のように暗闇の生活が続いていた。学校の防空壕で息をひそめたこと、私達学校に近いものは学校防衛隊の名のもとに、警報下の闇夜を学校へ急いだ事もあった。 八月六日、その朝も暑かった。私達二年生は当日建物疎開作業の日だったので、集合場所の市役所へ向けて、南竹屋町の家を出かけた。でも少し行って、なぜか気分が悪くなって引き返した。それが運命の別れ道になったとは誰が知ろう、私は部屋で寝ころんでいたのだ。 と、突然、西側の庭に目も眩む閃光、思わず身を庇って伏せた。同時に、どっ、どどっと家が崩壊して