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271 先生・生命をありがとう先生・生命をありがとう寺前 妙子 八月六日、交換作業に従事するため廊下に整列している時、窓ぎわから澄切った青空を見上げた瞬間、〝キラッ?と光る物がずんずん大きくなりながら、まばゆい光を増しながら落ちて来ます。〝一体何だろう??と、友達に「あれは何?」と、問いかけた時、眼の前で〝ピカッ?と光り輝き、自分が溶けるのではと、思いました。一瞬の出来事で次に光のない白色の世界に変り、「ドーン」と今まで体験した事のない地をも揺り動かす大音響が起き真暗闇に、私は何かの下敷となり身動き出来なくなりました。ガラガラ、ガラガラ、建物の崩れる音、毒ガスのような臭いが漂って来、息苦しくなる。埃は舞い上り、口や目に入り、体を一生懸命動かしても自由にならない。必死になって動かし続けている中に、やっと我が身をつねることが出来、〝痛い!?〝これは夢ではない、電話局に爆弾が落ちたのだ?と思いました。ガラガラ、ガラガラ建物の崩れる音が更に大きくなると共に、あちこちから「お母さーん 助けて!」「お母さん助けて!」「痛いようお母さん!」と、助けを求める声が湧き起り、心細くなるばかりでした。暫くして「学徒は、学徒らしく頑張るのよ!」と、担任の脇田先生が精一杯の声で叫ばれました。この先生の励ましの声で私達は元気づけられ、もう「お母さん!」と、母を呼ぶ声はしなくなり、建物の崩れる音だけがいつ迄も続いておりました。 ザラザラしたもの、ヌルヌルしたものが口の中に入って来、来ている服がビショビショに濡れている感じでしたが、真暗闇なので皆目わかりませんでした。これは顔面を切りその傷の血が口の中に入ったり、服を濡らしていたのでした。必死の思いで体を動かしている中に、やっと自由の身に、真暗闇の中を手探り、足探りで階段のところへ出て見ると、そこは沢山の人