ブックタイトルgakuto
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17 白い雲 そして真っ赤な空 冬は、終戦後初めて、学徒動員で行っていた作業現場に行ったこと。 春は、無いんです……。 飛行雲をみると、B29を思い出します。桃や枇杷を見ると、病気になって命拾いをしたこと。よもぎは足の傷の血を止めに使ったことなどです。 それからNHKが募集した、被爆者の手書きの絵、人が川を流れていっている絵などは、とてもリアルです。 戦争は人間がすること、原爆も人間が作る、だったら止めることもできるわけで、平和の人間で作れる事でしょう。 平和公園は観光地ではなく、祈りの場なのです。みんな命を大切に、平和を守っていくことを。戦争の犠牲になった人達のことを思いたいです。五十三回機械科卒 話し手 西岡 誠吾 聞き手 岡本智恵子白い雲そして真っ赤な空原 廣司 建築科一年生、十三歳の時です。一つ年が多いのは、国民学校高等科一年を修了してから広島県立広島工業学校に入学したからです。私たちの組は八月五日、疎開家屋の撤去作業に出ていましたので、六日、原爆が落とされた日は休みでした。 私の家は矢野でしたが、六日は休みとなっていたので、五日の夕方、リュックサックを背負って、おばさんのいる江田島へ行きました。 あの頃は極めて食糧事情が悪く、おばさんの所では、芋とか野菜など作っていたので、それを分けてもらうために行ったのです。広島から江田島までは二十五・六キロメートルは離れているでしょう。 八月六日。ちょうどあの時間、私は従姉妹の四つに