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概要

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308四、戦争と学徒動員 昭和初めから国防国家体制の確立に入ると同時に国の教育方針についても大きく変容した。 即ち従来の教育は注入的、画一的、形式的であるとの批判に対し、実践的、独創的として具体的に国民生活に即応したものにすべきという運動が展開された。 昭和十三年国家総動員法が公布された。 文部省から学校教育に勤労作業を加え、一年を通じ三十日以内は授業を廃し、主として食糧、燃料木炭、飼料増産に充当することを指令したのもこの頃であった。 戦争は益々苛烈となり、国内体制強化方策として ①航空機増産 ②食糧自給 ③国内防衛強化  ア.学徒に対し徴兵猶予の停止  イ.理工学系学徒の入営延期  ウ.理工系学校の拡充  エ.法文系学校の統合整備  オ.義務教育八年制の延期  カ.徴用の強化  キ.女子動員の強化 以上軍事要員、軍事生産要員の給源を期待した。 昭和十八年六月学徒動員体制が確立され、同年八月国家総動員法に基づいて、学徒動員令が公布施行された。 昭和十九年度国民動員計画四五四万人のうち学徒の数は三〇〇万人を超えた。 学徒が軍需工場に動員中は徴用工等は戦争の長期化に伴い、漸く厭戦的怠業気配が濃厚にならんとする時、学徒には欠勤も遅刻もなく、出来高能率は向上するなど、進んで困難な作業に挺身したり、病気や負傷をかくして作業を継続する者もあった。又燈火管制下にも寸暇を惜しみ勉学に励み学徒の本分を全うした。 工場の志気は学徒により愈々揚り、生産に好影響を及ぼしたこと等は学徒が祖国愛に燃えて頼もしい力を発揮したことにほかならない。