ブックタイトルgakuto
- ページ
- 35/326
このページは gakuto の電子ブックに掲載されている35ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。
このページは gakuto の電子ブックに掲載されている35ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。
gakuto
21 ピカ・ドンの道 原爆が投下された時、現地の人たちは大喜びをしたそうです。 私の描いた絵を見せながら、広島の悲惨な状況を話すと、みんなしんみりとして、「戦争が悪いんじゃ」「戦争のない国にしなければいけない」「戦争の時のことは許そう。だが忘れまい」 と、誓ったのでした。話し手 原 廣司聞き手 岡本智恵子ピカ・ドンの道久保田貞昭 家々は倒壊し、此処もかしこも天を突くような炎が燃えさかる。黒煙が立ち廻る。 南大橋の欄干は見当たらず、橋桁もずれ、どす黒い川波に揺れて今にも崩れ落ちそうと感じる。 電線はずたずたに垂れさがり道を塞いでいる。黒焦げた電車の台枠を跨ぐように一人の、これもまた黒焦げた人間の姿がある。 いまだかつて知らない異臭が瓦礫の周辺を漂う。 八月六日の午後。夏の盛りの暑い広島の街中の無惨な姿である。 この日の朝、八時十五分、強烈な閃光がきらめき、身の廻りに何事かが起こった。倒壊した寄宿舎から無我夢中で走り続け、吉島飛行場の原っぱに立ってい