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概要

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31 六十年の追憶の中でた。また、実家から送ってくる米を飯盒で、倒壊材木を使って炊飯し、談笑しながら食べたものである。 戦前・戦後の寮生活を通して、楽しいこと、辛かったこと等が断片的に次々と脳裡に浮かんでくる。事象の前後関係や時間的経緯は思い出せないが、今はただ、少なからず、私の人生にとって有意義であったと思う。起居を共にした寮友に心から感謝する次第である。また、陰に陽に、温かく指導いただいた舎監の土屋・吉岡・永原先生、また短い期間であったが、宿直舎監の追田・伊達・山口・寺地・田中・坂下先生に厚くお礼を申し上げたい。 最後に、原爆で非業の死を遂げた、多くの方々、県工の生徒や教職員の皆さんのご冥福を心からお祈り致します。(文中のご氏名は敬称を略させて頂きました)五十三回機械科卒 手記 坂本 信義    (旧姓岡野)六十年の追憶の中で岩田瑠璃子 父よ母よ、「同はら胞からの魂よいづこにか」と心に叫び続けて噫、六十年、どんなに時が過ぎても、この悲しみは消える事なく寧ろ年経る毎に亡き人恋ひて涙を流します。 広島は水の都、緑に囲まれた家並の美しい街だった。 一発の閃光は総べてを破壊し街諸共四人の肉親も消えてしまった。必死に探し続けた日々、骸は寧か一片の骨さえ見つける事が出来ませんでした。この哀しみと無念さ、父よ、母よ、良太郎ちゃん、玲子ちゃん、どこに消えてしまったの、このつぶやきは、今も続きます。 これから焼かれると云う山積の死体に被せられたト